正義の話
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ココロの話
こどものころから、わたしは道理が通っていないことがすごくキライだった。
オトナになると増えてくる、『オトナの事情』
そんな言葉が大きらいだった。事情ってなに???
明らかに道理が通っていないことを、『立場』や『地位』を守るために平然と行う。
その 行為によって迷惑をかけられたり、損をしてしまった人はどうなるのだろうか。
そんな想いを抱えたまま大きくなったわたしは、たくさんの人に笑われる。
『そんなんじゃ、世の中生きていけないよ』
それでも、笑われても、別によかった。
自分の中のたいせつなものを守るためには、笑われても、よかった。
そして自分の中のたいせつなものを守ろうともがいていると敵を作る。
たくさんの『オトナ』の敵を作る。わかっている、もうすこしわたしもオトナになればいいのだ。
なんども『オトナ』になろうとした。自分の中のきらきらしたモノを捨てようとおもった。
お金を稼ぐために、社会に溶け込むために、半端モノにならないために、『オトナ』になろうとした。
でも、ムリだった。
わたしの中のたいせつなものがなくなったら、もはやそれは私ではない。
それに捨てようと一生懸命がんばっても、どうしても捨てられないのだ。
それを、人は無駄な正義感と呼ぶ。
でもさ、しょうがないじゃない。人と同じにできない。
人と同じにできたら、もう随分前からしている。できないからこのまま大人になったのだ。
だから、もう仕方ないと思うことにする。
自分の性格は、そんなに簡単に変わらないのだ。
そして、自分が短所だと思っていたところは意外と長所だったりするのだ。
わたしのその無駄な正義感に、勇気づけられた、そんなわたしが好きだと言ってくれる人もいる。
人と比べてできないことを嘆いていても仕方ない。わたしはこういうふうにしか生きられない。
なら、自分の生き方を最大限活用して生きていくしかない。
わたしは、そう、おもうのだ。
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